
とある喫茶店。日本語教師の佐藤先生は、将来海外で日本語教師を目指すキムさんとリーさんのために勉強会を開いています。
1.「かかる」と「かける」の違い
キム:
先生、質問があるんですが。「かかる」と「かける」の違いについて教えてください。
佐藤:
「かかる」は、動作の始まる前のことばね。「かける」は、動作の途中のこと。
「食べる」で言うと、「食べかかる」。これは、目の前に食べ物とか料理があるけど、食べる直前で、まだ食べていない段階なの。
「食べかける」は、すでに食べている最中の言葉なの。そして、最後に「食べ終える」がくるわけ。
だから、順番で言うとこうなるわね。
①「かかる」:動作の着手表現
②「かける」:動作の途中表現
①「終える」:動作の終了表現
キム:わかりました。
2.「成る」と「為る」の違い
佐藤:さて、前回は「成る」と「為る」の意味の違いもやると予告したわよね。「なる」という言葉は漢字にすると、「成る」と「為る」の2つがあるの。
1つは「リーさんは大人になりました」。この場合は、「成る」の漢字を使うの。「成長」の「成」ね。主に自然界での現象が多いわね。
もう一つは、「キムさんが試験に合格して日本語教師になりました」の「なる」ね。この場合の漢字は「為る」を使うわ。「行為」の「為」ね。これは人間界だけの言葉なの。
「成る」の意味は、自然の摂理というか、人が止められない現象を言うときに使うわ。しかし、「為る」の方は、人が意図的に目的意識をもって努力し、達成実現したときに使うの。
では、今回も教師と学生のやりとりは、この表に従って進めるわね。
今回は、前回の続きで、この表の右半分をやります。「ところ」の「明るさ」がテーマね。では,教室へ行きましょう。
3.授業展開例(前半)
(1)蛍光灯は「ほん(本)」と数えます
ナレーター:まずは、教室の天井にあるものを何と呼ぶのか、どうやって数えるのか。その数え方は、以前の授業でやった「長いもの」は「本」と数えます、を思い出させ、全員で数えます。
佐藤:ビジャヤさん、これは何?
ビジャヤ:わかりません。
佐藤:これは 電気です。では、この 教室の天井には 電気はぜんぶでいくつある?
みんな 一緒に 数えなさい。
学習者:この教室の天井には でんきは ぜんぶで 一つ、二つ、
…、14。
佐藤:成文でどうぞ、リーさん。
リー:この教室の天井には でんきは ぜんぶで 14こ あります。
佐藤:はい。14「こ」?
リー:14「こ」。
佐藤:電気はどんなものですか?リーさん。
リー:電気は 長い物です。
佐藤:電気は 長い物です。では、長い電気はなんと数える、陳さん。
陳:長い ものは 「本」と 数えます。
佐藤:そう、では、成文でどうぞ。みんな、いっしょに。
学習者:この教室に 電気は ぜんぶで 14本 あります。
佐藤:はい、そうです。この教室の 天井には 電気が ぜんぶで 14本 あります。
この電気は けいこうとうと いいます。
けいこうとう、いっしょに。
学習者:けいこうとう。
(2)「電球」と「蛍光灯」は「電気製品」の種類です。
ナレーター:天井の蛍光灯と教卓の上の電気スタンドの電球は、「物」、「使うもの」、「電気製品」というカテゴリーでくくれることを学習者に認識させます。
佐藤: 机の上に 電気スタンドが一つあります。電気スタンドには 電球が一つあります。何個ある?
学習者:いっこあります。
佐藤:電球は 「長い物」ですか?ビジャヤさん。
ビジャヤ:いいえ、電球は 「長い物」では ありません。
佐藤:では、どんなもの?
ビジャヤ:電球は 「かたまり」です。
佐藤:では、「かたまり」は なんと数える、陳さん。
陳:「かたまり」は 「こ」と 数えます。
佐藤:はい、そうです。電球と 電気スタンドと 蛍光灯は 電気製品の 種類です。電気製品、いっしょに。
学習者:電気製品。
佐藤:では、キムさん、これは全部 なんですか。
キム:それは ぜんぶ 電気製品です。
佐藤:電気製品は どんな物ですか。
キム:電気製品は「使うもの」です。
佐藤:電気製品は「使うもの」で なんですか。
キム:電気製品は「使うもの」で 「物」です。
佐藤:はい、そうです。電気製品は「使うもの」で「物」です。


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