
2.「行」の展開方法
3.「段」の展開方法
佐藤:初級文法で一番わかりにくかった個所はどこでしたか?
リー:わたしは、動詞の活用形を覚えることでした。
佐藤:そうなの。動詞の活用形を覚えるには、その前に「行と段」を覚える必要があるわね。
キム:確かに動詞の活用形を勉強しているとき、「あ」段」とか「え」段とか言われても、ちょっとわかりにくかったです。
佐藤:動詞活用形を教えるとき、学習者が五十音の、とくに「段」を理解していないと、よくわからないと思います。だから、「段」のことは、初めから取り上げたほうがいいわね。
そこで、今回は、「行」と「段」をどのように教えるかについて、取り上げます。
ナレーション:
初級段階での最初の難所は、動詞の活用形を覚えることです。そのためには、「行と段」を覚えることが大切です。
たとえば、 具体的な例を挙げますと、第17課で「ます形」から「ない形」への変換を教えるとき、「すいます」の「い」は、ア段である「わ」に変換され「ない」をつけて、「すわない」になります。
35課で扱う条件形では、「あいます」の「い」は、エ段である「え」に変換され、「ば」をつけて、「あえば」になります。
このように動詞活用形を教えるとき、学習者が五十音の、とくに「段」概念を理解することがいかに大切かがわかります。
そこで、今回は、「行」と「段」をどのように教えるかについて、取り上げます。
1.教室の教材配置
教材として、図のようにひらがな五十音表を用意します。また、ホワイトボードの脇には、4つの基本文型表も貼りだしておきます。
また、裏面にマグネットを貼り付けたひらがな文字カードも用意し、発話しながらホワイトボードに貼っていくとよいでしょう。
2.「行」の展開方法
せんせい:これは なんですか。
がくせい:それは「か」です。
せんせい:はい、そうです。 では、これは 「き」ですか、「さ」ですか。
がくせい:それは「き」です。
せんせい:はい、そうです。 では、これは 「し」ですか。
がくせい:いいえ、それは「し」では ありません。
せんせい:では、これは なんですか。 こたえ、いっしょに。
がくせい:それは「く」です。
せんせい:はい、そうです。 これは 「く」です。
「か き く け こ」。
これは「か ぎょう」です。「かぎょう」、どうぞ。
がくせい:か き く け こ。
せんせい:これは 「あぎょう」です。
「あいうえお」は 「あぎょう」です。
これは 「かぎょう」です。
「かきくけこ」は 「かぎょう」です。
では、しつもん。「あいうえお」は 「なにぎょう」ですか。
がくせい:「あいうえお」は「あぎょう」です。
せんせい:はい、そうです。「あいうえお」は「あぎょう」です。
「あぎょう」は、「あいうえお」です。
では、しつもん。「かぎょう」は、なんですか。
がくせい:「かぎょう」は「かきくけこ」です。
せんせい:はい、そうです。「かぎょう」は「かきくけこ」です。
以下、「さ」行から、「わ」行まで、4つの文型を織り交ぜながら、行概念の定着を図ります。
3.「段」の展開方法
せんせい:これは「あ」ですか、「い」ですか。
がくせい:それは 「あ」です。
せんせい:はい、そうです。では、これは「か」ですか。
がくせい:はい、そうです。
せんせい:では、これは「か」ですか。
がくせい:いいえ、それは 「か」では ありません。
せんせい:では、これは なんですか。」
がくせい:それは 「さ」です。
せんせい:はい。そうです。これは「さ」です。
「あ か さ た な は ま や ら わ ん」
これは「だん」です。
「ぎょう」では ありません。
これは「あだん」です。「あだん」いっしょに。
がくせい:「あだん」。
がくせい:では、「あだん」みんな いっしよに どうぞ。
がくせい:あ か さ た な は ま や ら わ ん。
せんせい:では、しつもん。「あだん」はなんですか。こたえ、いっしょに。
がくせい:「あだん」は 「あ か さ た な は ま や ら わ ん」です。
せんせい:はい、そうです。
では。「あ か さ た な は ま や ら わ ん」は 「なにだん亅ですか。
こたえ、いっしょに。
がくせい:あ か さ た な は ま や ら わ ん」は 「あだん」です。
せんせい:はい、そうです。これは「あだん」です。
以下、「い」段から、「お」段まで、4つの文型を織り交ぜながら、段概念の定着を図ります。


