レセプト債集団訴訟を振り返る その1 (発端・破綻) 投資家はこの事件から何を教訓とすべきなのか

レセプト債集団訴訟を振り返る その1 (発端・破綻) 投資家はこの事件から何を教訓とすべきなのか A証券破綻事件、集団訴訟事件を振り返ったとき、(投資者はこの事件から何を教訓とすべきなのか) 集団訴訟事件
アーツ証券レセプト債集団訴訟を振り返る その1 (発端・破綻)
投資家はこの事件から何を教訓とすべきなのか A証券破綻事件、集団訴訟事件を振り返ったとき、(投資者はこの事件から何を教訓とすべきなのか)という視点で書いていきたい。 当事件を説明するとき、例えば「分別管理義務」、「診療報酬債権」など、少し分...
A証券破綻事件、集団訴訟事件を振り返ったとき、(投資者はこの事件から何を教訓とすべきなのか)という視点で書いていきたい。
当事件を説明するとき、例えば「分別管理義務」、「診療報酬債権」など、少し分かりにくい用語が出てくるが、投資初心者でもわかるようにわかりやすく解説していくつもりです。

 

1.発端

・ファイナンシャル・プランナー
・.『メディカル・トレンド』という商品
・A証券の突然の破綻

2.破綻

・同様の商品の再契約

「自己責任」という言葉があります。確かに、何かに投資したり株を買ったりするとき、それらの行動は全て購入する側の「自己責任」です。
もしそうであるならば、金融商品を売買するFPたちは、今後顧客とのやりとりの中で、「万が一証券会社が破綻した時、1000万円までなら投資者保護基金が損失分を補填してくれます。だから安心して投資してください」というセリフは言わないでください。
なぜなら、投資者保護基金は絶対に投資者を保護してくれない、補償しないという事実は、今回すでに最高裁判所の判例になったのですから。

週末の午後。日本語教師の佐藤先生とキムさんとリーさんは喫茶店で話しています。今日は佐藤先生の知り合いである吉田正治さんも参加しています。

・ファイナンシャル・プランナー

佐藤:キムさん、リーさん、こんにちは。今日は2人に紹介するわね。私の知り合いの吉田正治さんよ。
吉田:初めまして、吉田正治です。こんにちは。
佐藤:ところで今日、吉田さんを呼んだのは、彼が投資の被害者になってしまって、あなたたち2人が投資に関するお話を聞きたいというものだから、参考になるかと思って、来ていたただいたの。
キム:そうなんです。ちょうどゼミの修論テーマに関連する資料を集めている最中ですので、ぜひお話を聞かせてください。

吉田:分かりました。
キム:きっかけは、何だったんですか。
吉田:ちょっと古い話になりますが、今から10年前の話ですね。
2014年7月、わたしは当時親しかったファイナンシャル・プランナーから連絡を受け、東京にある彼のオフィスを訪れました。
リー:ファイナンシャルプランナーって何ですか。
佐藤:ファイナンシャル・プランナーというのは、略してFPとも言うけど、投資とか生活設計など、主にお金に関する心配事や疑問について、相談に乗ってくれる専門家のことね。
キム:一番多いのが株の売買のことよ。ほら、一般の人って株に興味があり、買おうと思っても,一体どうやって,何を買えば良いのかわからない人が多いけど、そんなときFPがアドバイスしてくれるの。
吉田:わたしも当時はそうでした。仕事に追われて、なかなか株まで手が回らなくて。しかし、なんとなく貯金しなくては、という焦りもあったし、そんなとき親身に相談に乗って、いろいろと教えてくれたのがFPのAさんでした。
佐藤:ファイナンシャル・プランナーは、元証券マンとか言う人も多いみたい。

・『メディカル・トレンド』という商品
吉田:今回、わたしが訪れたAさんも元証券マンでした。それで、彼は、とてもいい商品があるから,契約しないか、という話でした。そのとき、出された資料がこれです。
リー:『メディカル・トレンド』 診療報酬債権云々って書いてあるけど、診療報酬ってなんですか。

佐藤:病院にかかったときの費用は、「診療報酬」と呼ばれる点数で計算されるの。支払いの時にもらう費用明細書に点数が書いてあるわ。
1点10円で計算されるの。
吉田:そのとき、受けた説明では、「診療報酬債権」という厚生労働省も保証する手堅い商品を扱った債権であること、また投資家から集めたお金でオプティファクター社が病院から債権を買い取り、零細な病院が高額な医療機器を購入する際に低利でお金を貸してあげることもできるなどといった説明も受けました。

資料の3ページ目には、①裏付け資産として、東京支店の保有する申請で譲渡された診療報酬債権であること。⑧期間は、発行日より約1年間であること、⑨利率固定金利年率は、3パーセントであること、⑪利払い日は、年4回であることが書かれています。
そして、信頼しているAさんからの話ですので、OKしました。

契約後、年に4回は利息はきちんと支払われました。
そして、1年が過ぎて、2015年10月、再びファイナンシャルプランナーのAさんから連絡があり、「一年契約の商品が満期を迎えるので同じような種類の債権に契約し直してはどうか」とこういうお誘いがありました。
ここで断れば,何の問題もなかったのですが、それまで、一年間利息が毎回きちんと払い込まれていましたので、わたしもすっかり信用してしまい、結果的に再び同様の商品に契約してしました。

・A証券の突然の破綻
ところがその翌月(2015年11月)、突然A証券から1通のメールが届きました。標題は「株式会社オプティファクター社からの緊急のお知らせ」とありました。
内容を読んでみますと、「当該商品:メディカルトレードノート、オプティメディクスノートの2つの商品」についてでした。
①当該商品の各債権の新たな募集を直ちに停止すること
②これに伴い既発行の各債券の償還または利払いが約定通りに行えなくなる可能性がある。
そして、この件に関する説明会を実施するということ。実施の期日は平成27年11月8日と言うことでした。
こうして、突然破産手続き開始通知書がメールで届き、関係者らは大騒ぎとなったわけです。
後日会社主催の集会で、この10月の債権購入の契約は、時期的に破産公表の直前であったので、無効ではないかという質問意見が出ました。しかし、会社側は、あくまで破産発表前の段階での契約なので、契約は有効と突っぱねたんです。
これは、最初から投資家を騙し、破産前にいくらかでもまとまった金を集金しようという魂胆が見え見えな仕打ちであったと思われます。

2.破綻
・同様の商品の再契約
佐藤:それでは、お話の続きを聞かせてください。
吉田:わかりました。その後、1年が過ぎて、2015年10月、再びファイナンシャルプランナーのAさんから連絡があり、「一年契約の商品が満期を迎えますが、同じような種類の債権に契約し直してみてはどうですか」というお誘いがありました。
リー:それで,契約したんですか。
吉田:はい、そうです。それまで、一年間利息が毎回きちんと払い込まれていましたので、わたしもすっかり信用してしまい、結果的に再び同様の商品に契約しました。
ところがその翌月、つまり2015年11月、突然A証券から1通のメールが届きました。私が先月契約したばかりの商品のことでした。内容は、
①この商品の新たな募集を直ちに停止すること。
②これに伴い各債券の償還または利払いが約定通りに行えなくなる可能性があること。
そして、翌月の11月8日にこの件について説明会を実施するとのことでした。
こうして、突然破産手続き開始のメールが届き、関係者らは上を下への大騒ぎとなったわけです。
キム:しかし、翌月破綻するとわかっていながら,会社は新たな募集をしたわけですね。どう考えても、そんな契約は無効ではないですか。
吉田:そうなんです。後日会社主催の説明会でも、同様の質問が出ました。しかし、会社側は、あくまで破産発表前の段階での契約なので、契約は有効と突っぱねたんです。
これは、最初から投資家を騙し、破産前にいくらかでもまとまった金を集金しようという魂胆が見え見えな仕打ちであったと思います。

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